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元ヤンが大学院でMBAを修得した話【まとめ】

男性とバイクに乗った集団が一緒に写っている写真働き方を知る
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こんにちは。フジオです。

今回は「元ヤンが大学院でMBAを修得した話し」をお伝えします。

※約25分で読める記事です。25分後には「MBAとは何か?」「社会人の学び直しで人生が変わるのか?」が理解出来ているはずです。

この記事が参考になるのはこんな人

・学生の時にあまり勉強しなかった
・大人になってから「もっと勉強しておけばよかった」と後悔している
・働きながら学び直して自分の能力を高めたい
・今よりも良い人生にしたい

この記事を読んで分かること

・大人になってから学び直す方法
・社会人として働きながら大学院へ通う方法
・社会人大学院へ入学するための受験勉強と学生生活
・学び直しによる人生の変化

元ヤンが大学院でMBAを修得した話【まとめ】

学生時代にグレていた私が、社会人になってから学びたいと思い、働きながら大学院へ通いMBA(経営学)を修得したお話をします。

この記事は大きく4つのパートから成り立っています。

ボリュームが多いですので(3万字以上)、ぜひ気になるパートだけでもご覧ください。

①社会人大学院へ行こうと思った理由
②社会人がどのように受験勉強をしたのか
③会社で働きながら大学院へ通う学生生活
④MBA修得後の変化

元ヤンが大学院でMBAを修得した話①【社会人大学院へ行こうと思った理由】

いきなりですが、私は学生の時はまったく真面目ではありませんでした。

「学生のときにもっと勉強しておけば良かったなぁ…」

社会人になったばかりの頃は、そんなことを思いながら過ごしていました。

そして私は28歳のときに働きながら大学院に通い「MBA」を修得しました。

MBAとは「M」aster of 「B」usiness 「A」dministrationの略。

一言でいうと「経営学をきちんと修めた」学位になります。

この記事はただただ純粋な向上心を持つあなたにお伝えしたいと思っています。

私は学生の時に全然真面目ではなかった

私は学生時代を福岡県で過ごしました。

ひと言で言うと”グレて”いました。

中学校は不登校。

高校では地元の不良グループに所属していました。

更生して社会人になる

高校3年生の時に色々あって真面目になろうと決めました。

悪さを止めて猛勉強。学校では一番前の席で食い入るように授業を聞いていました。

帰宅してからも猛勉強。明け方5時くらいまで机に噛り付いて勉強。2時間くらい眠り学校へ行く。

そんな日々を3ヶ月くらい繰り返した結果、なんとか地元の入れる大学へ合格しました。

大学入学後も一生懸命勉強しました。私は商学部だったのでマーケティングを中心に学び、簿記の資格の修得にも励みました。

そして3年生の頃、私は漠然と「親父のように東京で働くかっこいいサラリーマンになりたい」と思い就職活動を開始しました。

「SPI試験対策」「面接練習」をひたすら繰り返した結果、国内大手メーカーの販売子会社に内定を頂けました。

そして就職へ

大学を卒業しメーカーの子会社へ就職。

新入社員研修では素晴らしい同期に巡り合い、「社会人ってこんなに楽しいのか!」と感動したことを覚えています。

研修も終わり赴任地へ。初めての一人暮らしと社会人生活が始まりました。

万能感に包まれて臨んだのですが、私はまったく仕事が出来ませんでした。

勘違い、物忘れ、居眠り…。3年目に東京の支店へ転勤となりました(栄転ではありません)。

当時はリーマンショック(2008年)の真っただ中。暗いニュースがあちこちで囁かれ、本屋には「貧困」「最底辺」など暗いキーワードを扱った本が多く並んでいました。

「このままではまずい」自分自身に焦りを感じ始めました。朝から晩まで仕事に打ち込んだ結果、少しづつ自分の職務を果たせるようになりました。

ある時、本社の営業部門で社内公募が行われていました。激務であることは明確でしたが、今いる職場よりも成長が見込めそうでした。

当時は好奇心と向上心が強かったため応募し、奇跡的に合格出来ました。

そして4年目で本社勤務となりました(これは栄転です)。

ある時に自分が純粋に好きなものに出会った

本社で働くようになってからも、朝から晩まで仕事に打ち込みました。

そんな時に、私はふいに自分自身を振り返るタイミングが訪れました。

ある日営業中に秋葉原を歩いていた時に、私は”ペンタブレット”に出会いました。

Bitly

ペンタブレットとは、一言で言うと「デジタルの絵が描ける電子ペン」です。

デジタルで描かれた美麗な絵を観て、純粋に感動しました。

自分でも描いてみたくなり、イラストソフトを購入し絵を描きました。

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-当時描いた絵① ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破より 碇シンジ

少年が青い空間の中で叫んでいるイラスト

-当時描いた絵② AKIRAより 鉄雄

右手が義手の少年が赤いオーラを出して佇んでいるイラスト

だけどそれを仕事にする訳でもなくモヤモヤと過ごした

そのままデジタルにのめり込み、友人が経営する飲食店のWEBサイトや動画制作を行うようになりました。

次第に起業に興味が沸いてきましたが、当時の私はどこか冷めている部分があり

「経営学も知らないのにいきなり起業してもなぁ…」

「自分の家計もままなっていないのに絶対失敗するよなぁ…」

などとモヤモヤした想いを抱え続けながら20代を過ごしていました。

「MBA」の存在を知る

そんなある日の週末。ふと本屋で目に留まった本を買いました。

Bitly

その本で初めて「社会人大学院」の言葉を知りました。

社会人が働きながら夜間や土日に大学院で学ぶ。そして経営学を学び「MBA」の学位が得られる。

私はこの時に「MBA」の言葉に強烈に惹かれました。

色々な本を買って調べた結果、MBAを取ると言っても2パターンあると分かりました。

1つ目は海外で経営学を学びMBAを修得するケース。2つ目は国内で修得するケースです。

国内は更に「仕事を止めて大学院で学ぶ」「働きながら学ぶ」の2パターンに分かれました。

最初は「海外でMBAを修得ケース」に憧れました。

ただ自分の心に正直に耳を傾けてみると

「今の自分はまだまだ仕事が半端だよな…」

「仕事からまだまだ学べることがあるよな…」

と言う想いが出てきました。

それであれば

「働きながら学ぼう」

「仕事と勉強の両輪で自分を鍛えよう」

そう思い「働きながら通える社会人大学院へ行く」とう方向で準備を進めることにしました。

中央大学院で働きながら学ぶことにした

青山学院、グロービス、中央大学院など、東京には働きながら通える社会人大学院が多くありました。

結論から言うと私は中央大学大学院(後楽園)へ入学し2年間かけてMBAを修得しました。

中央大学大学院が良かった理由が3つあります。

1つ目は「日曜日にも開講」していること。

当時の私は営業職だったため「クレームなどの突発的な事態が発生した際には対応しなくてはいけない」と思っていました。従って土・日曜日を中心に通学したいと考えていました。

当時「平日夜間・土曜日に開講」している大学院はたくさんありましたが、日曜日に開講している学校は限られていました。

2つ目は「アクセス」。

中央大学院は後楽園にあったため、職場である新宿からも通いやすいと思いました。

3つ目は「一緒に学びたいと思える人達」がいたこと。

中央大学大学院では入学前に「科目履修生」として有料の体験授業を受けることが出来ます。

私は「経営学入門」「経済学」2つの講義を履修したのですが、講義の中では学生とディスカッションを行います。

その時にディスカッションをした人達が素晴らしく、「まっすぐな向上心を持って勉強している」ことが言動から伝わってきました。

「この人たちと学びたい」と思い、私は27歳の時に中央大学院を受験することを決めました。


ここまでで四分の一が終了です。

お疲れ様でした。

ご興味がありましたら、引き続き下記の記事をご覧ください。

元ヤンが大学院でMBAを修得した話②【社会人が働きながらどのように受験勉強をしたのか】

ここからは、社会人が働きながらどのように受験勉強を行ったかについてお伝えします。

受験準備に関しては大きく3つあります。

1つ目は職場との調整。

2つ目がお金の準備。

そして3つ目が受験勉強です。

これから順番にお伝えします。

①職場との調整

まず、私が一番大事だと思う「職場との調整」についてお話をします。

働きながら社会人大学院へ通う場合、最初に一つ大きな選択をしなてはいけません。

それは

「職場に自分が大学院に行くことを話してから通う」

「職場に自分が大学院に行くことを話さずに黙って通う」

どちらかを自分で選ぶことです。

どちらが良い悪いではなく、人それぞれの状況や目的に選択は変わります。

例えば「話して通う」方の中には会社から派遣されて大学院へ来ている方もいました。

「話さずに通う」方の中には「大学院でMBAを修得した後に転職する」「起業する」など、自分の計画を持って入学されている方もいました。

私の場合は「職場に話してから通う」を選びました。

職場に話して通うメリットが3つありました。

1つ目は「勉強に集中できる」です。

「街でばったり会社の人に会うかも…」

「学校へ入る所を誰かに見られていないかな…」

などが気になりだすと、私の場合は学業に集中が出来なくなってしまうと思いました。

それであれば「2年間は仕事と勉強で頑張る」と職場へ伝え、集中して勉強に取り組みたいと考えました。

2つ目は職場の人に「人にサポートしてもらえる」です。

2年間の学生生活の中では、どうしても仕事が立て込んでしまう時もあります。

私の場合は幸いにも、当時の上司・先輩から「後は(仕事を)やっておくから大学院へ行け」とサポートしてもらいました。

3つ目は「(卒業した後に)MBA修得が社内へポジティブに伝わる」です。

MBAを修得すると学歴が変わりますので、人事部へ報告します(した方が得です)。

その際にいきなり「MBAを取っていました」と言われると人事部や上司も驚いてしまいます。

卒業後もその会社にいるつもりであれば、最初に会社に話し「MBAを修得しました」と伝える方が後々社内で揉めません。

以上、3つのメリットから私個人としては「職場に自分が大学院に行くことを話してから通う」がオススメです。

どのように職場に話すか?

では実際にどのように職場に話すか?ここは極めて重要です。

「これが正解」は決してありません。あくまでひとつのケーススタディとしてご覧頂きたいのですが、

私の場合は「信頼できる先輩に話す」から始めました。

ちなみに私が信頼できる先輩はこんな方です。

・仕事が出来る
・恐い(胆力がある)
・優しい(人の気持ちが分かる)

そのような信頼できる先輩に話すと良い点を3つお話させて頂きます。

1つ目は「応援をしてくれる」です。

出来る人達はこれまでにすごく努力をされてきています。悔しい思いもされてきています。

そのような人達は、後輩が「頑張りたい」と言った時に、「そんなの止めとけよ」「お前が何言ってるの?」など決して言わないです。

「頑張りたい」気持ちに対して、まずは「いいね」と言って下さいます。肯定してくれる存在がいるのはとても心強いものです。

2つ目は「知識をくれる」です。

出来る先輩たちは勉強熱心で色んなこと知っています。

「この経営学の本を読んだらいいよ」と本を貸して下さったり「この先生は経営学で有名だよ」と教えて下さったり。自分だけでは知り得なかった知識をくれます。

3つ目は「環境を整えてくれる」です。

一番大事なことなので少し噛み砕いてお話します。

具体的には、そのような先輩達は、職場内であなたが大学院に行くことを周りへ話してくれます。

自分から上司・職場へ「私、MBA取りに行くんです」なんて自己主張を繰り返すと、「自分のことしか考えていないのかな?」「MBA取って転職したいのかな?」などマイナスに取られかねません。

一方で職場でも周りから一目置かれている出来る先輩たちが、「○○が頑張って勉強するらしいよ!」と職場で話しを出したら、話しがスムーズに通ったりします(私の場合もそうでした)。

まとめますと、信頼出来る先輩を頼って下さい。人を巻き込みながら環境を整えて下さい。

「学んで成長したいんです」と気持ちを真っ直ぐに伝えましょう。

そして職場内で「大学院へ行くの応援してもらえる」雰囲気を醸成しましょう。

②お金の準備

次に大事な「お金の準備」についてお話をします。

夢のない話が続いてすみません…(笑)

ただし「大人の勉強」は事前の調整が勉強と同じくらい大切なため、お伝えさせてください。

②お金の準備-1)学費

国内で2年間かけてMBAを修得する場合、200万円〜400万円ほどの費用がかかります。

私が通った中央大学大学院は、2年間で340万円の学費が掛かりました。

非常に大きな金額につき初めに計画を立てることが重要です。

入学者のパターン

お金の話の前に、少し「入学者のパターン」についてお話させて頂きます。

一言で入学者と言っても3パターンあります。

パターン① 企業派遣

企業派遣とは「会社のお金で大学院へ通っている人達」です。

私の周りでは

・大企業勤務
・将来の幹部候補

の方が多かったです。つまり「会社から期待されている方達」です。この方たちは会社がお金を出してくれているので、当然実費は掛かりません。

パターン②成績優秀者

中央大学大学院の場合、学業優秀者の上位数名は学費が免除(または一部免除)される制度がありました。

優れた一部の方のみが対象です。

パターン③通常入学

自分でお金を払って学びにくる。

一番多いパターンです。私も通常入学でした。

②お金の準備-2)本

学費の次にかかるのが「本」のお金です。

大学院の講義で使用するテキストは、経営学の名著を使用することが多いです。

その一つ一つが高額です。

例えば「組織は戦略に従う / 著:アルフレッド・チャンドラー」

Bitly

「戦略的ブランド・マネジメント / 著:ケビン・レーン・ケラー」

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「アライアンス戦略論 / 著:安田 洋氏」

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どれも一度は目を通すべき名著ばかりですが、安い本はありません。

また教材以外にも、必要な知識を身につけるために本を購入することもあります。

従いまして「本代」も、卒業までに必要となる費用として考えておいた方が良いです。

②お金の準備-3)交際費

最後に「交際費」です。

会社にいると「課の飲み会」「先輩と軽く一杯」など、なにかと飲みの機会があります(※新型コロナウイルス前の世界観で書いています)。

その「会社」へ加え、もう一つお付き合いする世界が追加されるイメージです。

大学院の勉強では多くの方と知り合います。例えばある授業を受講する場合。授業中の中でグループに分かれてディスカッションを行います。

その中で仲良くなった方達と「軽くご飯行きましょう」「飲みに行きましょう」なんて話にもなるのです(社会人大学院の醍醐味の一つですが)。

従いまして、会社人生活だけを送るよりも、交際費が多くかかるようになります。

まとめますと、お金の準備においては「学費」「本」「交際費」が必要です。

③受験勉強

続いて、いよいよ社会人の「受験勉強」についてお話をします。

社会人大学院の受験勉強に必要なことは大きく3つあります。

それは「書類選考」「小論文」「面接」です※。

※大学院によっては「英語」を試験に課す大学院もあります

受験勉強の期間

受験勉強の期間としては、私の場合は半年間ほど行いました。

中央大学院は、4月と9月の年に2回、入学するチャンスがあります。

私の場合は4月入学にあたり、前年の12月に入学試験が行われました。

従いまして、6月頃から受験勉強を開始し、12月に入学試験、そして翌年4月に入学した形となります。

③受験勉強-1)経営学の本を読む

これから具体的に受験勉強で行ったことをお伝えします。

まず私は初めに「経営に関する本を読む」から始めました。

最初に私が読んだ本は「マネジメント(エッセンシャル版) / P.F.ドラッカー」。

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「経営学がどのようなものか」について、まとめられていました。

加えて「Harvard Business Review」 を読みました。

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毎回、経営に関するトピックスを一つ取り上げて、多面的な視点から論じており勉強になりました。

以上の本を繰り返し読み、経営学の理解を深めました。

③受験勉強-2)小論文対策をする

社会人大学院の受験では小論文が課されます。

私は小論文対策の本を購入し、勉強をしました。

ここで、私がとても役に立った本をご紹介します。

「国内MBA受験小論文対策講義 / 著:飯野一」

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この本の良かった点は「分野ごとに例題がある」です。

例えば「マーケティング」であれば、マーケティングをテーマとした例文があるので、まずそれを読みます。そして次に例文を参照しながら、自分でマーケティングについて小論文を書きます。

例文を見ながら同じように書くことで、少しづつ自分で書けるようになります。

一冊の本に集中し「小論文を読む・書く」を半年間ひたすら繰り返していました。

また「社会人大学院受験用の講座」を設けている塾もありました。

私は無料説明会や体験会へは何度も足を運び、実際に受験をされた方・国内MBAを修得された方がから話しを聞きました。

「小論文対策に向けてどのような本を読めばよいか?」「自分は今このような勉強をしているが他に何をすればいいか?」など気になることを質問出来ます。

その意見を参考に、調整しながら独学を続けました。

③受験勉強-3)入学前に大学院の講義を受けてみる

そして私が強くオススメしたいのは「入学する前に大学院の授業を受ける」です。

中央大学大学院に関しては「科目履修生」の制度がありました。入学前に実際に行われている講義に参加出来る制度です。

科目履修生の制度を活用して良かったことが三つあります。

1つ目は「書類審査を通じて自分の気持ちを整理できる」こと。

科目履修生となるには、「職務経歴書」や「(大学院入学後の)学習計画」を提出し、審査を受ける必要があります。

この時に書類を作成すると、「自身がなぜ社会人大学院へ行きたいと思ったか」を明文化出来ます。

また実際の入試の際にも書類提出が必要になるのですが、その際に参考に出来ます。

2つ目は「効率的に知識を得られる」です。

私の場合は、科目履修生となり「経済学」と「経営学入門」を学びましました。

先生の話しを聞くと、独学だけでは得られない知識を得られます。

例えば「どのような本がおすすめですか?」などを気軽に聞けます。

私は経済学の先生から先生が執筆された本をオススメ頂きました。

当時の経済学の先生からオススメ頂いた本が下記となりますが、先生の講義と併せて読むことで経済学の輪郭を掴めました。

「経済・金融のための数学 / 著:藤田 康範」

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自分で書店へ行き“どの本を読めばいいんだろう”と探す時間が勿体ないですし、“当たり”の本に出合える確約もありません。必要な本は実際にその学問を教えている先生に聞くことが最短です。

3つ目は「入試面接対策になる」です。

入試の際には「なぜ中央大学大学院で学びたいか?」も聞かれます。

授業を受けると、実際の通学のイメージや、経営学の理解も深まっているます。従ってより具体的にビジョンや学習計画について、自分の想いを話せるようになります。

以上、社会人の受験準備のお話でした。



ここまでで半分が終了です。

お疲れ様でした。

一呼吸してから続きへ進みましょう。

元ヤンが大学院でMBAを修得した話③【会社で働きながら大学院へ通う学生生活】

ここからは、社会人大学院の学生生活ついて2つのお話をさせていただきます。

1つ目は「学生生活で学んだこと」について。

2つ目は「仕事と両立しながらどのような日々を過ごしたのか」についてお話しします。

学生生活で学んだこと

まず学生生活で学んだことについてお話をさせていただきます。

私は半年間の受験勉強を経て無事に中央大学大学院にへ合格し、2012年に入学をしました。

中央大学大学院の入学式

中央大学大学院は東京の文京区後楽園、東京ドームのすぐ近くにあります。

東京ドームを撮影した写真

大学は2年間通いますが、大きく「1年次」「2年次」と分かれます。

さらに1年毎にが「第1セメスター(前期)」「第2セメスター(後期)」と分かれます。

つまり、2年間が大きく4つの期間に分かれるイメージとなります。

中央大学大学院の過ごし方をマップにしたイメージ

中央大学大学院では、経営学が大きく5つの分野から成り立っています。

「戦略」「マーケティング」「人的資源管理」「ファイナンス」「経営法務」です。

私の場合は当時営業職だったため、「戦略」「マーケティング」を中心に履修しました。

大学入学後に2年分の時間割をもらえますので、「2年後のどんな自分になっていたいか」をイメージしながら時間割を組み立てていきます(楽しい作業の一つでした)。

大学院の時間割表を撮影した画像

戦略について

中央大学院で一番重要な分野である「戦略」からお話します。

戦略と一言で言っても「知的創造論」「未来価値創造論」「組織論」「ビジネスプランニング」「ICT戦略」など様々な授業があります。

私はその中でも特に「組織論」「未来価値創造論」が非常に好きでした。

「組織論」は様々な会社の事例を見て「どのような組織形態があるのか」「なぜそのような組織形態をとるのか」「その組織の中で働いている人は何を思うのか」などを、ケーススタディを通じて学べます。

自分も当時は組織にいる真っ只中だったので「なぜ自分の組織はこのような形態になっているのか」「その中で働く人は何をモチベーションに感じるのか」「なぜ不満が生まれるのか」を客観的に知ることが出来て、思考が整理されました。

講義の中で使用したオススメの本をいくつか紹介します。

「組織行動のマネジメント / 著:スティーブンP.ロビンス」

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「組織内における自分の立ち位置」「従業員が不満を抱く理由」などを知りたい方にオススメです。

「ビジョナリーカンパニー② / 著:ジェームズ・C・コリンズ」

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「リーダーはどう在るべきか」「人を動かすリーダーはどんな人か」などを知りたい方にオススメです。

「マエカワはなぜ「跳ぶ」のか / 著:前川正雄」

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「イノベーション=新結合」の説明だけでは腹落ちしない部分について、実際にイノベーションを実現した企業の暗黙知から学べます。

いずれも組織論の講義で使用したテキストです。

「未来価値創造論」は座学を受けるだけではなく、街へフィールドワークに出かけます。

授業の中で5、6人のグループを作り、例えば秋葉原や新大久保などの個性が際立った街へ行き、「価値を感じてくる回」がありました。

秋葉原はメイドカフェや電脳製品が並び、一部のファンから熱狂的な指示を得ています(私も大好きな街)。

実際にメイドカフェや男の娘カフェ(女装をした男性がいる店)へ行きサービスを受ける中で「店内はどのようになっているか?どのようなメニューがあるのか?」「どのような客が来ているのか?何を喜んでいるのか?」を肌で感じます。

新大久保は韓流の街。韓流スターのグッズが買えたり、韓国料理が食べられる街です。2020年は”愛の不時着”の大ヒットが記憶に新しいですが、2012年も音楽グループを中心に盛り上がっていました。

秋葉原と同じように飲食店や雑貨屋へ入りその価値を肌で感じます。そして仲間たちと”価値について”真剣に議論を行います。

ちなみに当時の私達の結論は「心理的安全性を確保した状態で大好きな韓流を存分に楽しめる」でした(例えば、ディズニーやジャニーズショップなど”ファンしかそこにいない”状況を指します)。

その講義を担当されていた方は小林三郎先生。ホンダ社でエアバックを開発された方です。

小林先生が書かれた本がこちら。

Bitly

”価値とは?”の問いに、明瞭に答えてくれています。

そのように様々な視点から「戦略」について学びました。

マーケティングについて

次に私が先行した「マーケティング」についてお話します。

中央大学院では入学後に5分野の中から1つ「専攻」を決めます。

私は1年次は「戦略」を専攻科目として選んでましたが、2年次にマーケティング専攻に転身しました。

マーケティングでは戦略を立案する為に必要なことを多く学べました。

マーケティング・ブランディングの基礎を学びたい方へオススメの本はコチラです。

Bitly
Bitly

「マーケティング論」の講義では、グループを作って1つの企業を研究し、マーケティング手法を分析して発表しました。

私はその当時に急成長をしていたLINE本社へ行き「なぜ急成長をしたのか」「そのポイントはなんだったのか」をヒアリングし、学友と一緒に分析してまとめました。

LINE本社で男性3人が立っている写真

人的資源管理、ファイナンス、経営法務

その他に「人的資源管理」「ファイナンス」「経営法務」の3つの専門分野がありました。

「人的資源管理」は、人事制度や人的リソースの管理方法などを学ぶ授業だったため、人事部の方が受講されている印象でした。

「ファイナンス」は管理会計(社内向けの会計)から財務会計(社外へ向けた会計)、金融工学などを学べる分野でした。会社の経理の方から経営の方など様々な人が受講されていました。

「経営法務」に関しては法務や判例などについて学ぶ為、会社の法務やコンプライアンスに専門に携わる方が受講されている印象でした。

私もこの3分野に関して基礎講座を受講し、経営学に関する理解を深めることが出来ました。

このような形で5分野を履修して、学生生活を送ります。

卒業へ向けて

卒業の条件として、2つのことが必要です。

まず1つ目は「必要な単位を修得する」、2つ目は「プロジェクト研究を完了させる」です。

プロジェクト研究は2年次に行います。自分が研究するテーマを決めて、研究結果をプロジェクトレポートとして提出します。

冒頭で「2年間の学生生活が大きく4つに分かれる話」をさせて頂きましたが、卒業へ向けて行うことを改めてご説明すると

・1年目(第1セメスター&第2セメスター):「幅広く学ぶ時期」
→自分が興味がある講義から専門外まで含めて、5分野をまんべんなく学ぶ時期

・2年目(第1セメスター):「専門へ向かう時期」
→自分の専門を中心に履修しつつも、1年目に履修出来なかった講義も履修する時期

・2年目(第2セメスター):「専門に集中する時期」
→プロジェクト研究に集中して研究活動&プロジェクトレポートを執筆する時期

となります。

中央大学大学院の過ごし方をマップにしたイメージ

私のプロジェクト研究

私はプロジェクト研究は「仕事に役立つテーマで研究をしたい」思いがありました。

そして私は当時プリンターメーカーに勤めていたため、「紙」について調べたいと思いました。

そこで私は「透過光と反射光による学習効果の違い」をテーマにしました(少しマニアックですみません…笑)。

透過光とは、モニターなどから直接発せられて目に入る光。

反射光とは、天井の灯りが本を反射して入ってくる光。読書などをする時に文字が見えるのは、反射光によるものです。

このテーマを選んだか理由は、「紙の良さをきちんと理解したかった」からです。

少しだけ話しが脱線しますが、皆さんも「スマホ」「タブレット」「パソコン」などで情報収集をする一方で、たまに本や新聞を読んだりされますよね?

テレビの映像の内容はすぐに忘れてしまうのに、映画の内容は深く心に残るのは何故だろう?

ひとつの情報空間の中でデジタル(透過光)とアナログ(反射光)が混在している現代。

どのようなバランスで媒体を使い分けると学習効果が高いのか?

それが分かればプリンターメーカーとして強みになるのではないか?

そんなことを考えていました。

話しを戻しますと、そのようなテーマで研究を行い、研究プロジェクトとしてレポートを提出しました。

そして必要な単位の修得も果たし、無事に大学院を卒業しました。

ちなみに、その当時はこのような本を読んでいました。メディアやその媒体である紙について、理解を深められました。

Bitly
Bitly

仕事と両立しながらどのような日々を過ごしたのか

最後に「仕事と両立しながらどのような日々を過ごしたのか」お話をさせていただきます。

私は当時、東京の調布市に住み西新宿にある会社へ通勤していました。

平日は18時から21時まで講義が行われていました。

私の場合は平日は1日だけ、夜に講義を入れていました。なお平日に週2日以上通学してみたのですが、体力的に厳しかったです。

土曜日は9時から19時30分まで講義が行われていました。

元々土日に集中して学びたかった為、土日はフルで授業を受けました。3時間の授業を3コマ受講。9時から19時30分までぶっ通しで学ぶと相当クタクタになりました。

-この頃はレッドブルが相棒-

レッドブルを手に持っている写真

日曜日は10時から17時30分まで講義が行われていました。

3時間の授業を2コマ。少し早く帰れるため、リラックスする時間を取れました。

祝日も課題やレポートを行う時間に充てました(社会人大学院は膨大な量の宿題が出ます)。

この2年間は平日、土日祝日は仕事&勉強漬けでした。

そのようなハードな日々ですが、学友と飲みに行ったり。語ったり、学外でも楽しいことがありました。

社会人が異業種の友人を作ることは、視野・思考を拡げる意味において極めて重要であると思います。

-学生生活の1コマ 後楽園マラソン大会-

マラソン大会終了後の集合写真

中央大学大学院へは28歳から30歳まで通いましたが、知識や思考法、そして友人が得られたかけがえのない日々でした。



ここまでで四分の三が終了です。

お疲れ様でした。

後楽園駅近くにある桜が咲く登り坂

元ヤンが大学院でMBAを修得した話④【MBA修得後の変化】

ここまで読み進めて頂き、ありがとうございます。

最後に「MBA修得して何が変わったのか」について、2つのことをお伝えします。

1つ目は「個人」としての変化。

2つ目は「仕事」における変化です。

個人としての変化

「個人としての変化」は2つあります。

それは「1)自信がついた」「2 )社外の仲間が出来た」です。

1)自信がついた

私は学生の頃にあまり勉強をしませんでした。

従って、就職した当初は「自分が何が分からないのか分からない」状態からスタートしました。

色々なことを知らずに、コミュニケーションに苦労する毎日。

「学生の時に勉強をしていなかったから駄目なのだろう」と自分を責める時もありました。

その中で、経営学だけはきちんと修めた。

一つのことを修得した経験が、私に自身を与えてくれました。

2)社外の仲間が出来た

社会人大学院では、利害関係のない友人が出来ました。

プライベートの友人ほど自分をさらけ出す訳でもない。だけど仕事ほど畏まって接する訳でもない。

話しを傾聴してくれる人たちに囲まれて、私は社会人としてのコミュニケーション能力を高めることが出来ました。

大学院卒業後も友人との関係は続いており、かけがえのない仲間をつくることが出来ました。

中央大学大学院生との活動については、私のYoutubeチャンネルに動画を上げていますので、ご興味ある方はご覧ください。

仕事における変化

次に「仕事における変化」についてお話します。

私はMBAを修得し「キャリアが変化」しました。

1)子会社から親会社への出向

私はその当時、メーカー子の会社で営業職に従事していました。

MBA修得後、社内選考を経て親会社へ出向出来る形となりました。

仕事の幅を大きく拡げることが出来ました。

2)転職

MBAを持っていると、ヘッドハンターや転職サイトから声がかかります。

私も転職をしましたが、MBAは面接時にポジティブな評価を頂けました。

就職・転職活動における、差別化要素になることは間違いないでしょう。

3)新規事業立ち上げ

MBAを修得していると、企業における新規事業の立ち上げなどを任される場合があります。

実際に業務を遂行する中でも、MBAで学んだ「戦略」「マーケティング」は役に立ちます。

最後に

以上、長時間に渡りご覧頂き、誠にありがとうございました。

「社会人の学び直し」について、少しでも具体的なイメージをお伝え出来ていたら幸いです。

私が最後にお伝えしたいのは「社会人になっても学び続けることで人生は変えられる」です。

それでは、また。

■当記事の動画もあります
私のYouTubeに動画版を全4回で配信しています。ぜひコチラもご覧ください。

【元ヤンが大学院でMBAを修得した話④】/ 引用:長野県の工場と大学で働く九州男児のチャンネルより

■併せて読みたいオススメ記事(当記事のその後のキャリア)

①民間企業と国立大学で働く私の経験を基に説明した記事

②国立大学の仕事として地域社会で働く事例を紹介した記事(社会人向けスキルアップ研修)

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